北海道の特徴を持つ土器(奈良後期~平安初期)(胆沢)
岩手県奥州市胆沢南都田で発掘された、北海道独自の文様がある土器。
なぜ、岩手県胆沢の地で北海道独自の文様の土器が見つかったのでしょう。
・北海道で暮らしていた人が、胆沢の地に何らかの理由でやって来て創った?
・北海道の擦文土器は、北海道に近い青森でも発見されているので、そのあたりに暮らしていた人が、何らかの理由で胆沢にやって来て創った?
・北海道独自の文様がある土器をどこかで見た人が、真似て創った?
つまりは、遠い場所と人の行き来があったということの証です。
土器のくびれ部分にある下向きの連続する三角形(波型のようなもの)やその下の、毛先が硬い刷毛のようなもので表面をさすってつけた縦直線の模様が北海道独自の文様です。(擦文土器と呼ばれています)
創られたのは、奈良時代の終わりから平安時代の始めだそうです。
アテルイ達、土着の部族と中央政権が戦っていた時代です。
時代は進み、奥州藤原氏三代秀衡の時代の無量光院跡からも、擦文土器が見つかっています。
交易のルートが整備された奥州藤原氏時代よりも300年ほども前に、すでに、北海道との何らかの繋がりがあったということを伝えている土器です。
南都田地区センターロビーに展示されています。
地区センターの事務所に声をかければ、自由に観ることができます。